Yokohama National University, Faculty of Engineering
(Bio Microsystem lab)

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● Tissue engineering


Pancreas research

 

膵βスフェロイドの中空糸充填による立体組織作製
研究目的
 糖尿病は、心筋梗塞等の深刻な合併症を伴う恐ろしい病である。糖尿病に対する現在の治療は、インスリン注射や膵島移植であるが、合併症やドナー不足といった課題がある。近年、これらに代わる新たな方法として、細胞を用いて作製した組織を移植する再生医療が注目されている。そのためには、必要な細胞を大量に調製し、さらに工学的な手法を用いて立体的な組織を作製する手法の確立が求められる。そこで、本研究では、膵β細胞を大量調製するための培養器作製と、円柱状の組織体(シリンドロイド)の作製および移植手法の確立を目的とした。
研究内容

 細胞の大量調製を実現するために、スフェロイドの作製が可能な培養器を考案した。膵β細胞はスフェロイド形成により高い機能を発現することが知られており、また培養面積を現実的なサイズに低減できるためである。まず、微細加工機で直径500 μmのウェル構造を作製し、オレフィン樹脂とエポキシ樹脂を用いて、任意形状に設計可能なスフェロイド培養器の鋳型を作製した(図1)。次に、培養中の細胞に培養器底面からも酸素を供給するために、高い酸素透過性を有するシリコーンゴム(PDMS)を用いて、培養器本体を作製した。 作製した培養器に膵β細胞を播種し、3日間培養することで、直径約150 μmの膵β細胞スフェロイドを高密度に作製することができた。作製したスフェロイドをインスリン抗体で免疫染色した結果、インスリンを分泌している様子が観察された。また、底面からも酸素を供給することによって、膵β細胞の増殖とインスリン遺伝子の発現が促進されることも確認した。さらに、スフェロイドを4分間遠心し、中空糸膜内に充填するのみで、シリンドロイドを作製することができた(図2)。そして、中空糸とシリンジを接続し、注射の要領でシリンドロイドを回収した。


図1 スフェロイド培養器の作製方法


 図2 膵βシリンドロイド

[参考資料]
 

 

 

 

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