Yokohama National University, Faculty of Engineering
(Bio Microsystem lab)

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Lab on a chip research

 

好中球活性評価に基づく潜在性乳房炎診断デバイス
研究目的
 現在、低コストで高感度な牛の潜在性乳房炎診断法が求められている。本研究では、潜在性乳房炎乳中の好中球が生成するスーパーオキシドアニオン(O2-)を指標とした潜在性乳房炎の電気化学的検出を試みた。O2-検出感度を上げるには、好中球のみを分離し検出電極に濃縮する必要がある。そこで、我々は二つの粒子の比重の差、細胞接着分子であるP-セレクチンへの好中球の特異的接着を利用し、好中球の分離流路を設計した。この流路とO2-センサを集積化し、潜在性乳房炎の診断が可能であるか評価を行った。
研究内容

 
システムの構造をFig.1に示す。O2-センサを作製するために、マイクロピラー作用極(Au)、参照極(Ag/AgCl)、対極(Au)のパターンを作製し、作用極には酵素、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)を化学的に固定した。次にPDMSを用いて底面に細胞接着分子であるP-セレクチンを固定した2層構造マイクロ流路を設計し、比重とP-セレクチンとの接着を利用した好中球分離システムとした。 まず、Outlet 2を閉じ、生乳をOutlet 1へ送液した。生乳がマイクロ流路を流れる際、好中球はP-セレクチンが固定された流路底面に溜まる傾向が見られた。次に、リン酸緩衝液(PBS)を連続的に送液した。この間好中球は底面に留まり、一方で脂肪球は除去された(図2A)。最後に、Outlet 1を閉じてOutlet 2を開けPBSを送液したところ、好中球は底面を転がりマイクロピラー電極に濃縮された(図2B-D)。作製したデバイスのO2-の検出性能を評価するため、好中球をPBSに懸濁してサンプル溶液とした。この溶液を流路に送液してマイクロピラーに好中球を濃縮し、O2-を検出した。得られた電流値は明らかな細胞密度依存性を示した。さらに、乳房炎に感染した牛から採取した牛乳の実サンプルを用いてO2-の測定を行ったところ、明らかな細胞密度依存性が見られ、4.8 × 105 cells/mLの細胞密度のサンプルまで健常乳から区別できることが分かった。これらの結果から、作製したデバイスで潜在性乳房炎乳を診断できることが示された。

[参考資料]
S. Kimura, J. Fukuda, A. Tajima, and H. Suzuki, On-chip diagnosis of subclinical mastitis in cows by electrochemical measurement of neutrophil activity in milk, Lab on a Chip (IF=6.26), 12 (7), pp.1309-15 (2012)
 

 

 

 

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