Yokohama National University, Faculty of Engineering
(Bio Microsystem lab)

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● Tissue engineering



L
iver research

 

血管構造を備えた肝蔵類似組織体の作製
研究目的
  再生医療の実現に向けて、立体的な移植組織の構築が急務であるが、それには酸素や栄養素を供給できる血管網構造を作製する技術が必要である。そこで本研究では、送液可能な血管様構造を持つ肝類似組織の構築に取り組んだ。

 血管構造の作製には、独自の細胞脱離技術を利用した。これは金-チオール結合により吸着させたペプチド層を介して細胞を接着させ、電位印加によってこのペプチド層を還元脱離させることで、細胞も培養表面から脱離させる手法である。この原理を、直径約600 mmの金ロッドに応用することで血管構造を作製した。すなわち、ペプチド層を介してHUVECを付着させたロッド2本を、チャンバー内で等間隔配置した。そして、光架橋性ゼラチンゲルでチャンバー内を満たしてゲル化させ、ロッド表面から電気化学的にHUVECをゲル側に転写した。このようにして、流路に内皮化を施し、HUVECに覆われた血管構造を作製した。さらに、ゲル内にあらかじめHUVEC、MSC、iPS肝細胞スフェロイドを包埋し培養した。このようにして血管構造近傍に肝臓細胞を配置し、肝臓類似構造を作製し送液培養を行った。培養するにつれ、HUVECはゲル中で内皮ネットワークを形成し、自己組織的に肝スフェロイドと繋がった。更に、iPS肝スフェロイドのアルブミン活性とアンモニア除去能は上昇し、遺伝子発現解析でも成熟肝マーカーの発現量も上昇した。この手法は、血管網を有する肝組織の作製において有望なアプローチと考えられる。


Fig.1 肝臓類似組織の構築

Fig.2 血管内皮ネットワークとiPS肝臓スフェロイド

[参考資料]
 

 

 

 

● Vascular
● Liver
● Hair
● Pacnreas
● Bone
● Lab Chip/ MEMS
● Surface modification
● Microbe
 
 
 
 

 
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